セルスタート“チュ・ドーン!”に改善!始動不良の原因は・・・・

以前色々やってもなかなか自分の思うようなコンディションを取り戻せないでいる時に“朝一のアイドリングUP”で解決したことがありますが今にして思えば“バッテリーターミナル”?

原因は電力でした

ここ2、3年くらい悩んでいたスペースギアのエンジン始動状況。

寒い時期“コールドスタート”が効いている時はいいが夏場やエンジンが暖まっている状況での再スタートの時などは“チュ・・スド・・・・ズドドドン”といういかにも古くて半分イカれかかってもうじきサヨナラしそうなエンジンスタート。“カ・カ・カ・カ・・・・・”というノッキング音もうるさい状況だった。

その間、オイル交換や燃料添加剤バッテリー交換燃料フィルター交換ファンベルト交換オイルプレッシャースイッチ交換噴射ポンプ噴射量補正抵抗値交換プーリーベアリング交換燃料系ゴムホース交換など様々な整備交換作業をはさんだが改善できないでいた。

ただ一つ“バッテリー交換後数日”は調子が良かったことからある日、テスターを使ってエンジン始動時の電圧の変化をチェックしてみた。(うっかりフロントエアコンが4段階中“2”の状態だった)

バッテリー電圧:12.48V

キーをON(グロー開始):11.85V↓

クランキング:一瞬10Vまで下がる↓

エンジンスタート直後:13.27V前半から時間とともに徐々に上昇

エアコンをフロント全開リア“2”にしてみた:13.77V

その後アイドリングUP(1300rpm):14.45V

アフターグロー終了後通常のアイドリング:14.45V

冬の早朝はフロントガラスの氷を溶かすためにいつもエアコン全開の状態なのでエンジン始動後の電圧はもっと低いだろう。ヘタするとバッテリーの電圧よりも低いかもしれない。

しかしアイドルUPを行うとちゃんと14V以上の電圧が出ることもわかったので

朝一のエンジン始動と夕方帰宅時のエンジン始動はアクセルワイヤーを引っ張ってアイドリング回転を1200rpm程度にして暖気運転するようにしたら・・・・・改善した。

やっぱり原因はバッテリーの消耗と断定!

トラブルの発生メカニズムは先ず4M40というエンジンは渦流室型ディーゼルエンジン。このエンジンは直噴型とは違いエンジン始動後も5分間程度グロープラグに通電して“火元”を作ってあげないといけない(アフターグロー)。

しかしこの間アイドリング状態では実はオルタネーターの発電量が足りない。↓

足りないからバッテリーから電力が奪われる。↓

目的地に到着するまでバッテリーを完全に回復できない。↓

日々少しずつバッテリーが消耗する↓

だんだんグロープラグの温度が下がる。↓

ブススンガタタンというスタートになる。↓

燃焼室やマフラーなどにカーボンなどが堆積する↓

ノッキング音が大きくなる↓

マフラーのテールエンド付近が汚れやすくなる

なぜ昔は大丈夫だった?

エンジンが消耗していなかったからでしょうね。適正な圧縮圧を得られているので電力が弱まっていても普通にエンジンがかかっていたのだと思います。

しかしバッテリーは確実に弱まっていたと思います。走行距離が数万キロの時、ある猛暑日にエアコン全開で信号待ちの後“アクセルを踏んでもエンジンの回転がなかなか上がらずなかなか走り出さない!”

っという史上稀に見るトラブルに見舞われた記憶があります。あれは結局バッテリーがかなり消耗してしまっていたため極度の電力不足に陥っていたんでしょうね。(4M40後期はアクセルが電子制御)※その後オルタが逝きました。走行不能の原因はオルタの発電量不足だった。

20万キロを越えた辺りから寒い朝アイドリングしているとマフラーからモクモクと白い煙が上がるようになりました。アフターグローの終了とともに煙も無くなるんですがこの煙は“未燃焼ガス”だったんだと思います。

この未燃焼ガスの原因は大きく二つ。一つはエンジンの消耗だと思います。

燃焼室内の気密性が悪くなり適正な圧縮圧を得られなくなってきたので異常燃焼する。もう一つは

アフターグローの間は燃料の噴射時期も変更されていますがグロープラグが十分に赤熱していないので圧縮圧低下とあいまって供給された燃料が燃え切らずに排出されていたのかもしれない。アフターグロー終了後は通常通りの状態になるのを見ると合点がいきます。

まぁ後は小さな要因として“通常のアイドリング状態だとエンジンオイルによる潤滑が十分素早く行われていないかもしれない”ということでやっぱりアイドルUPは有効だと思います。

実際寒い朝アクセルワイヤーを引いた状態でエンジンを始動すると一瞬ノッキングの甲高いメカノイズがしますがすぐにノッキング音は静かになります。

通常より回転数が高いことでグロープラグがしっかり赤熱しエンジン内が素早く潤滑され正常な燃焼と圧縮圧を得られているからではないでしょうか。

知人の修理工場の社長が「メーカーは“燃費重視”だからアイドリングを低く設定したがるけどエンジン的に内部潤滑っていう意味では1500rpmくらいがちょうど良いんじゃないかな」って言うのを聞いたことがある。

もはやスペースギアも“クラシックカー”の域にきているけどまだまだ乗るつもりなのでこれからは“アイドルUP”は必須になりそうだ。