こんな事故がありました|頚椎骨折で一生体の動かない若い女性

世の中には色々な交通事故がありますが私たちがいつ?その当事者になるかわかりませんよね?先日保険会社の人からとても悲惨な若い女性の話を聞いたのでご紹介します。

無保険のクルマに同乗してしまった!

勤務時間外に24歳会社員男性の運転する車に同僚の22歳女性が私用の送迎目的で同乗している時に事故は起きました。

雨の降る薄暗い夕暮れ時、中央分離帯のある片側2車線の国道。

男性の運転する乗用車は中央分離帯を越えて反対車線に飛び出し、反対車線側の電柱に自動車の助手席側側面が衝突。

運転していた男性はカスリキズでしたが同乗していた女性は意識不明の重体でした。

怪我人は動かさない方がいいこともある

実はこの時彼女の首の骨は複雑骨折していました。

男性は通りがかったトラックの運転手と二人で意識の無い彼女の手足を持ってズルズルと車外に引っ張り出して歩道まで運びました。

結局この行為が彼女に致命的な後遺症を残す原因になった可能性は否めません。

一生”首吊り人形”

1週間ほど経過して女性は意識を取り戻しました。その間に2度行った手術によって辛くも命は取り留めましたが首から下の運動機能はマヒ状態。頚椎も復元できず自力で頭部を支えることができないので器具を使って上から頭部を吊っている状態。両親は医師から「今後この状態から回復していくのは難しい」と告げられたそうです。

仕事をし、彼氏とデートを重ね、結婚して出産し、おばあちゃんになるという普通の人生は一瞬の事故によって彼女から消え失せました。

会社はクビ!妻とは離婚

その交通事故が原因で男性は会社を解雇され、生まれたばかりの子供もいましたが夫婦は離婚しました。現在は連絡も取れないようです。

被害女性の家族も相手側から一向に支払われない医療費に困窮し、被害女性の父親が友人である私の会社の保険担当に「一体どうすれば・・・・」と相談したのでした。

自賠責保険で搭乗者も

一般に自賠責保険は”単独事故”では使えないと思われがちですが、単独事故による同乗者の怪我にも対応してもらえるようです。

男性の自動車は任意保険には加入していませんでしたが”車検切れ”では無かったので自賠責保険が対応可能と考えて自賠責保険の保険会社に保険金の請求をするよう勧めたそうです。

これにより女性の両親は当座の治療費の捻出に一時の安堵を得ることができました。

今は良くても先は長い

今を何とかしのいでもまだまだ先がある。

いつまでも病院に居れるわけじゃない。自宅に専用のベッド、車椅子、首を吊る機器、トイレとお風呂のリフォーム、リハビリ、いつまでも果てしなくお金はかかるのに家族の誰かは彼女にかかりきりになるので収入は逆に減る。

お金をいくらもらっても”これでいい”っという事も無い。

時間が経つにつれて彼女が今の自分を受け入れられなければ「私、何のために生きているんだろう」とか「死にたい」とか考えるようになるかもしれない。

お金の心配以外に”彼女の心のケア”も必要になります。

“責任”は”お金”でしか取りようが無い

どんなに謝罪してもどんなに心の中で詫びても遺族や障害を負った人に必要なのはお金です。お金しか無いんです。

「あの子を生き返らせてくれ!」「元の体に戻してくれ!」

と言ってみたところでどうしようもないことは被害者や被害者の家族だってわかっています。しかし言わずにはいられない。

大変な苦痛を感じている被害者や家族にホンの少しでも役に立てるのは”謝罪の言葉”ではなくお金。

もしそのお金を支払う用意が無いままに今、自動車を運転している人が大勢いるとしたら・・・・

任意保険に加入すれば大丈夫?

”入ってないよりはマシ”っと考えた方がいいでしょう。

いくら保険会社でも”何でもかんでも面倒を見てくれる”ワケではないのです。

保険会社による給付金の支払いと言うものは、事故の過失割合や各種事例に照らした規定の金額しか出ません。つまり

今回の事故で彼女は”一生首吊り状態”となりましたが保険会社は一生面倒は看てくれません。

保険に入ってたとしても・・・

キチンと任意保険に加入していたとしても”無免許運転(失効含む)”だったり”飲酒運転”だったり”車検切れの自動車”だったり”わざとぶつけた。またはぶつけられた”という場合は保険が使えなかったりします。

自分自身がちゃんとしていても事故の相手がこのような輩だったら大変ですし、うっかりこういう人の車に同乗して大きな怪我を負ってしまったのでは目も当てられません。

自分で運転するときはもちろんですが、他の人の車に乗せてもらう時も乗せてくれる人を選ぶ必要があるのかもしれませんね。

特にお酒を飲んだ時に真っ赤な顔して「送っていきますよ」なんて言う人がいても絶対に断ります。