三菱自の燃費偽装に思うこと|カタログ燃費と実燃費との乖離

“三菱の燃費偽装事件”に対して世間は「またか!?」っという感じで激しく反応しているようですが皆さんエコカーの実態と真実をご存知無い?

他メーカーも不正しているようなもの?

少し前にエコカーほどカタログ燃費に対して実燃費が乖離している車はないような記事を書いたが同様に考えている人は多いようです。

自動車「燃費達成率ワーストランキング」59車名を実名公開!~「カタログ燃費」とはこんなに差があります

このランキングは現代ビジネスが独自に調査した”カタログ燃費と実際の燃費との乖離が酷い車をランキング形式で発表”したものです。

私は以前自動車工業会のデータでは”リッター20km台では7割、リッター30km台では6割しか燃費性能は出ない”っと書きましたが今回現代ビジネス調査では

5割に満たない車種も2台存在する。

三菱はekワゴンのみ

ランキングに三菱自の車は不思議と5位のekワゴンのみだった。もちろん三菱は販売している車種が少ないのでランキング入りする確率も低くなるかもしれないが、あれほど燃費偽装で騒がれた割にはたった一台、しかも5位という結果。

それに対して他メーカーの酷いこと酷いこと・・・・・ランキングの上位は今最も売れている軽自動車やコンパクトカー、ハイブリッド車です。

三菱自の燃費偽装が明らかになった時に意外にも他メーカーから非難の声が聞こえてこなかったのは、こういう事実を関係者達はみんな知っていたのではないでしょうか?ヘタに非難しようものならこういうデータが出てきた時大いに恥をかきますからね。

しかし見れば見るほど面白い。他メーカーの代表的な車種がしっかりランキング入りしています。

こういうデータを見るに付け燃料費を抑えるために購入する車の車種選びの難しさを感じます。

燃料代が気になるなら原動機の構造で選べ

以前も書きましたがガソリン車なんてどこの何を買っても燃費なんてたかが知れています。本当に燃料代を節約したいのなら

電気自動車、PHEV、エコディーゼル

この中から選べば間違いなく燃料代は劇的に減るでしょう。それなのに「カタログ燃費でいけば引けを取らない・・・・」などと考えて絶対にカタログ燃費など出ないガソリン車やガソリンのハイブリッド車にするからガッカリするんですよね。

だから僕は思うんですけどほとんどの人はきっと燃費で車を選んでいないなぁと。それなのに絶対カタログスペックの出ないガソリンエンジンの燃費を偽装したとして、普段燃費なんか気にしない人達に騒がれた三菱自はやっぱりバカだったなぁと・・・・・つくづく思うわけです。

ガソリン車の燃費で思い悩むヒマがあったらPHEVシステムやエコディーゼルを他の車種や軽自動車に載せられないか?検討した方がず~っと有意義だったのではないでしょうか。

ガソリン車の燃費は30年前と変わってない

考えてみると自動車の燃費って僕が知っている30年前からほとんど変わっていないような気がします。

昔から軽自動車がリッターで15km前後、普通乗用車が10km前後、ワンボックスやジープタイプで6~8kmくらい。

現代のガソリンエンジンはそのほとんどが”リーンバーンエンジン”といってアイドリング時や負荷の少ない状態の時に消費するガソリンの量を異様に希薄にするタイプです。

しかしひとたび加速するとなると、自動車を一定時間内にある速度へ上げる時に必要なエネルギー量は、自動車の重量が同じなら今のエンジンも昔のエンジンも”消費量は同じ”です。

もし加速時のガソリンの消費量を少なくしようとするならば質量(車重)を劇的に軽くしなければなりませんが”高品質志向”や”安全性重視”が強い現代では自動車を軽くすることがなかなかできません。

結局今のエンジンが昔のエンジンよりも燃費で優れている点は

  • アイドリング
  • 低負荷状態

この2点だけなので、結局昔のエンジンとさほど燃費が変わらないのです。

ちなみにガソリンエンジンのハイブリッド車は、最もガソリンを消費する”加速時”をモーターでアシストするので、カタログスペックは出ないにしても普通のガソリンエンジンのほぼ”2倍”の燃費が得られるのです。

運転の仕方でだいぶ違う・・・・が

とはいえ現代の車は乗り方しだいではリアルに”リッター30km”を狙える車はあります。昔の車でリッター30kmは無理です。

  • 要はゆっくり発進
  • ピッタリ50km/h走行
  • 前方の交通状況を見極めて早めの減速
  • ”暖機”やアイドリングは一切行わない。
  • エアコンは使わない
  • ヘッドライトやオーディオなどの電装品は使用しない

こんな感じで走らせればカタログスペックに近い燃費を自分で出せるかもしれません。しかし・・・・

自動車を単なる移動の手段としか考えないのならそういう運転ができるのかもしれませんが、僕には到底できそうにありません。

僕は自動車で車の個性や性能を楽しみたいんですよね。

僕だけじゃない、皆そうなんじゃないでしょうか?ひところプリウスやアクアがバカ売れした時期がありました。その当時は上記のような運転をする人が非常に多く、そうした方の後ろを走るのは本当に大変な苦痛でした。

あれからだいぶ時間がたった今ではそのようなドライバーをあまり見かけなくなりました。結局みんなエコドライブに飽きちゃっていつも通り元通り運転しているんでしょうね。

で結果、カタログデータの5~6割の燃費で落ち着いちゃってる。

最も罪深いのは誰?

”燃費達成率ワーストランキング”5位のekワゴンの燃費がリッター15kmくらい・・・・普通ですよね?軽自動車の燃費なんて。

そもそもekワゴンに乗っている人が一体どれくらいいるんでしょうか?それよりもワーストランキングに載っているekワゴン以外の車種のユーザーの落胆といったらないでしょう。

ホントどれも”バカ売れ”した車ばかりです。

三菱自の燃費偽装に激しく反応して三菱を袋叩きにした他社ユーザーって本当は・・・・・

自分の乗ってる自動車メーカーを叩きたかったんじゃね?