今回の記事は僕の知見による古いスタッドレスタイヤに関するお話しです。
「自分のスタッドレスタイヤは古いんじゃないか?」「もう変えなきゃいけないんだろうか?」
そんなふうに考えて悩んでいる方の参考になればと思い書きました。
古いスタッドレスはダメなのか?
先日親類から頂戴したKSP130ビッツのオイル交換をしにカー用品店を訪れた際にピットの若いスタッフから
「タイヤの内部のワイヤーの一部が切れていて危険な状態なので今すぐに交換する事をおすすめします」
と言われました。タイヤの側面の一部がプクッと膨れているのは知っていました。紛れもなく中のワイヤーが切れているのです。
危険な状態なので整備士としてそこを指摘するのは当然です。でもそのあと
「タイヤも古いしコレじゃスタッドレスタイヤの意味をなしていないと思います。4本とも交換した方がいいでしょう」
って言ってきました。この件については最後に続きます。
古ければ確かに性能は劣化する。が
タイヤは工場で製造された瞬間から劣化が始まります。
昔は「スタッドレスタイヤは2年使ったら交換した方がいい」
って言う人、けっこういました。僕も若い頃は周りの人にそう言われてまだ十分山があるにもかかわらず新品に交換していました。
でも、スタッドレスタイヤが3年目以降は効かないって本当でしょうか?
製造された瞬間から劣化は始まる
そりゃタイヤなんて1年でも新しい方がイイに決まってます。
物には経年劣化ってもんがありますからね。製造された瞬間から劣化は始まっています。でも、実用レベルで
「危ないッ!」
て感じるほど劣化するものでしょうか?
8年落ちのスタッドレスタイヤ使ってまぁ~っす
僕が今スペースギアで装着しているタイヤはダンロップのSJ6。このタイヤ実は・・・もう8年落ち
今回このスタッドレスタイヤの溝が五分山近くにまでなってきたので「そろそろチェンジしようかどうしようか・・・」迷いましたが、結局今も使用しています。気になるのはその性能ですが僕的には・・・
何も問題無し
今年は11月に結構な雪が降りました。タイヤ交換は12月になってからやろうと思っていたので凍結路や雪道を夏タイヤでソロリソロリと走行していました(恐怖)が、堪らずスタッドレスタイヤに交換した時は
「おおッ!素晴らしいっ!」
って感じました(笑)8年落ち、5部山のスタッドレスタイヤが雪道で
僕に大きな安心感を与えてくれたんです。
僕にとって必要な性能とは
私は雪国での生活が長く、外出先も
- 自宅⇔事業所
- 自宅⇔田舎の実家
- 事業所⇔田舎の実家
まァほとんどこのパターン。飽きるほど同じ道をいつも同じように走っています。
しかも雪道はかなり“攻め”の運転を楽しむ方なんで(^_^.)スタッドレスタイヤの効きに変化があれば
- ブレーキ
- コーナリング
- スリップ
- クルマの挙動
などでスグにわかります。
このタイヤがまだ大丈夫って言える根拠
僕が今のタイヤを“大丈夫!”って思える根拠は
“いつものカーブをいつものように曲がれて、いつもの交差点をいつものように止まれる”
ので大丈夫!という判断なんです。
そりゃタイヤメーカーのCMのように、片や新品スタッドレスでこっちが8年落ちのスタッドレス。で、氷の上で急制動から何メートルで停車するか?
なぁ~んていうテストをされたら新品に負けるかもしれませんが、8年落ち5分山のタイヤでも常に雪道を過激にトレールしている僕を今年も超~ヤル気にしてくれる性能を見せてくれるんですね。
何年落ちのタイヤか?よりも、もっと厳しく考えた方がいいのが
スタッドレスタイヤの空気圧と保管方法
空気圧と保管方法ではないかな?って昔から感じてました。人それぞれ
- 何年目のタイヤか?
- どこのメーカーのタイヤか?
なんてことはかなり意識しているようですが、スタッドレスタイヤの空気圧を普段からチェックしている方ってほとんどいないように感じます。特にスタッドレスタイヤの場合
「雪道じゃマトモに接地していないんだから必要ないでしょ?」
と考えているんでしょうか?僕は逆だと思うんですよね。
だってアスファルトの路面なら木の車輪だろうがプラスチックの車輪だろうがそれなりに走るでしょうけども、雪道はスタッドレスタイヤでしか走れませんからね。
ならばそのスタッドレスタイヤが最も性能を発揮できるコンディションを作ってやることが安全運転への近道だと思います。
冬になると空気圧のチェックをしなくなったり保管方法をテキトーにやってしまうのは単に寒いから外に出たくないとかめんどくさいとかそういうことなんじゃね?
って空気圧の下がったタイヤで燃料入れてる奴見てフフッって笑っちゃいます。
メーカーは売りたいっ!でも勘違いするなッ-2℃の罠とは?
そもそも“スタッドレスタイヤは2~3年しか持たない”なんて誰が言い出したのかはわかりませんがメーカーにとっては大変都合のいい話です。
2~3年で交換した方がいい
交換した方がいいとは言ってますが、2~3年でダメになる!とは言ってませんよね?(笑)誰もウソは言ってないわけです。
・・・12月になってタイヤを交換して「よぉ~し!タイヤも交換したし、いつ雪が降っても大丈夫だぞぉ~」
って勇んでる中、まんまと雪が降っていざ出動した時にズルンッって滑って「うわぁ~・・・やっぱり買い換えないとダメかぁ~」
って考える人って多いのかもしれませんが、そもそも冬に突入したばかりの12月にスタッドレスタイヤの良し悪しを計るのはムリだと思うんです。その理由は・・・
べちゃべちゃ雪が超危険
気温
私の地域の場合12月は大体-4℃~4℃くらいで推移します。
実はこのくらいの気温で道路に雪や凍結が残っている状態が最も滑ります!
特に-2℃~0℃くらいの時なんですが、氷の表面が凍り切っていないというかタイヤが圧着した瞬間に溶けるような現象で驚くほど滑ります。この現象は新品のスタッドレスタイヤとて同じです。
ところが驚くことに-4℃以下の気温になると全然滑らないんですね。基本スタッドレスタイヤは気温が低ければ低いほどよく効きます。ま、この辺は歩く時と同じです。
ですからわりと暖かい12月に「タイヤが古いから滑るのか?」っと感じてあわてて買い換える必要は無いと思うわけです。
雪道を果敢に攻める私でもこの-2℃という気温の時はかなり警戒しますし実際交通事故が多発するのも冬の入りと終わりです。
みんなスタッドレスタイヤを履いただけで安心しちゃって、わりと暖かい日がヤバいことを知らないのかもしれませんね。
10年落ちのタイヤですが大丈夫でしょうか?
ここまでお話しするとそういう質問がきそうですよね(笑)
大丈夫かどうかは次の3点がポイントでしょう。
- スリップマーク
- ヒビ割れ
- ゴムの柔軟性
これらのどれか一つでも引っかかるようなら使用しない方がイイと思います。
この写真はスタッドレスタイヤではありませんがヒビ割れが酷くてもはや製品としての寿命をとっくに迎えているのがよくわかります。
タイヤは普段の保管状態によって寿命が延びたり縮んだりすると思うんです。
どんな環境だと長持ち?
とにかく“直射日光を避ける”
これに尽きますね。僕は保管しているタイヤにカバーなどかけませんが、四六時中365日決して直射日光の当たらない場所にタイヤを保管していますし
普段駐車している事業所の駐車場は偶然なんですがあまり日光が当たりません(^^)
最もゴムを劣化させるのは日光ですからねぇ。できるだけ日光に当てないことがタイヤを長持ちさせる方法ではないかと思います。
ちなみに昔両親が乗ってた乗用車のスタッドレスタイヤは11年落ちでも全然大丈夫そうでした!
しかしさすがに気持ち悪いので交換しましたが、普段ウチの親はクルマを
ガレージに入れてシャッターを閉めているので、よけい劣化しなかったのかなぁと思ってます。
注意深い運転と譲り合い
結論!スタッドレスタイヤは、ある程度の品質を保てていれば
多少古いタイヤでも空気圧をキチンとチェックしていれば大丈夫だと思います。
冬の交通事故の原因ってほとんどが“タイヤ”ではなく
“不注意”
から起きているという事実がそれを物語っていると思います。ではどういったコトに注意すべきでしょうか?
- 速度
- 歩行者や自転車の早めの発見
- 停止位置に対して早めブレーキ
- 朝夕軒先の雪払いをしている人
- 暖かい日やベチャベチャ雪
- 信号の変わるタイミング
- エンジンブレーキの利くギヤで走行
コレら以外にもう一つ付け加えさせてもらいたいのが
- 後続車への配慮
クルマを運転している人は皆それぞれ全く違う“都合”で運転しています。自分だけの都合による“わがままな運転”では後続車をイライラさせてしまい、結局イマドキ騒がれている
あおり運転
を誘発させてしまいます。そこでもし、自分の後ろに複数台のクルマが行列を成しているようなら追越しやすそうなところで
左ウィンカーを出して左側に寄り減速して後続車をやり過ごしてください
カーブの手前や交差点の近くではなく、できる限り直線で見通しの良いトコロがいいです。
そうすることで結局自分のペースでのんびり運転できますし、追い越していくドライバーから感謝されるんです。
交通事故も起きようがありませんよね?
その廃タイヤ・・・売れるかも
新品のタイヤに交換してもらうとショップの人が
「古いタイヤを1本300円で処理しましょうか?」
って言ってくるかもしれませんがタイヤによってはその廃タイヤ
売れるかもしれませんよぉ~
何かわからないけどタイヤやホイールを山のように積んでいる業者、その辺に結構いるじゃないですか。
ああいう業者がガソリンスタンドやカー用品のショップ、修理工場やディーラーなどを周って古タイヤを買い集めて外国に売り飛ばしているんですね。
ですからタイヤ交換をしている業者はいいもんです。お客からは古タイヤの引き取り代をもらい業者からもお金を受け取る・・・どんなタイヤでもいいわけではありませんが
- 5~8年落ち程度。ヒビが無い
- 五分山以上山が残ってる
ならあぁいう業者に持ち込んでみてもいいかもしれません。1本大体¥500~¥1000程度で買ってもらえると思いますよ。
13年落ちのタイヤでした
ワイヤーが切れても不思議は無いですよね。このタイヤ、お義父さんがこのKSP130ビッツを購入した時のタイヤなんで13年オチなんですね。
この現象、軽トラでも経験済みです。やばい状態なのは間違いないですが
私はその用品店の会員にもかかわらず値引きが無く、技術料や交換工賃などの料金がなぜか有料でしかも4本セットでしか販売せず、しかも翌日以降になると安い方の輸入タイヤは無くなるかもしれない
という説明に苛立ちを覚えて「はいわかりました」と言って店を後にしました。
恐怖感をあおって今すぐ値引き無しのタイヤ4本を買えっていう態度に妙に腹が立ったんですね。
ワイヤー切れは確かに危ない。しかし13年落ちのタイヤがスタッドレスの意味を成していないという若造の説明は
知らないヤツの妄言にしか聞こえない
知らない人はいないほどの大きな用品店の従業員だが、会社からそういうふうにして商品を売れっ!って教育されているんだろう。
25年前にこの用品店にいい加減な仕事をされ怒ってから以降行ってなかったがKSP130のオイル交換のために久々に来た。が
やっぱり行かなきゃよかった